애니,게임 리뷰. | 구독자 13명 | 둥실둥실해파리

Re zero 1

(男)ハア ハア

ヤバイ これは本気でヤバイ

(少女)
スバル どうかしたの?

(ナツキ・スバル)
ああ なるほど ここで引きね

(男)
ダメだ 逃げろ 早く

ハア

やっぱ 納豆はねえな

(男)待っていろ…

(店員)363円です

お… ギザ10

(男)俺が―

必ず―

お前を救ってみせる

まあ 1日部屋に閉じこもって
ゲームやってりゃ―

目も疲れるわな

どうなってんだ?

どう見ても 作り物じゃねえよな

ってことは…

つまり これは ひょっとして―

異世界召喚ってやつー?

(少女)ウッヒヒヒ

ファンタジー異世界と仮定して
文明は お約束の中世風ってとこか

亜人ありありの世界観で
たぶん 戦争とか冒険ありあり

そして この世界で俺は…

きた 俺のターンきたー!

これは おそらく
初めての魔法発動イベント

ハアッ!

(騎士)危ない!

(騎士)ハッハハハハ
(人々の歓声)

(男)よくやった!

魔法を使うには
ちょっと早かったな

(スバル)読めねえ

(カドモン・リッシュ)
お兄ちゃん 変わった格好してるな

旅の途中か?

これは…

そいつは リンガだ

(スバル)
だが 言葉は通じる 問題は…

あ? どこの国の金だ?
んなもん ルグニカじゃ使えねえ

さては てめえ 一文無しだな?

あっち行け
商売のジャマすんじゃねえー!

しかたねえ

ここは まず地道に情報収集か

(店員)
ここは亜人専門店だ

(スバル)
イッテー ま… 前が…

なんか話違わね?

異世界召喚じゃねえのかよ!

俺の主人公設定は
どこいったんだよ!

携帯は無事か

って 携帯持ってる意味ねえ!

だいたい 初期装備 貧弱すぎだろ

もうちょっと
福利厚生充実してないと―

俺みたいな ゆとりは
納得できないよ!

エクスカリバーの1つも
持ってねえし!

つーか そもそも召喚ものなら
俺を召喚した美少女どこよ?

まさか召喚しておいて放置?

お… やっと来たか
俺のこと召喚した美少女…

(カン)
てめえ 何 ブツブツ言ってんだ?

(チン)
痛(いて)え思いしたくなきゃ―

出すもん出しな

やっべ 強制イベント発生だ

(少女)
どけどけー! そこの奴らー!

ジャマー!

きたー! 今度こそ
召喚した美少女 本人か?

召喚?

なんか知んねえけど
私 忙しいんだ

ごめんな! 強く生きてくれ!

(スバル)
…って ええ? ええ?

(スバル)
今ので 毒気が抜かれて
気が変わったりしませんかね?

(トン)
むしろ 水差されて気分を害した

ですよね

(スバル)
だが落ち着け ナツキ・スバル

古来より 異世界に招かれた人間は
超常の力を発揮するのが お約束

バッタバッタ なぎ倒して
俺の輝かしい未来の糧にしてやる!

経験値どもめ!

初めて 人殴った
思ったより こっちも痛い

だが やっぱり
この世界だと俺は強い設定か

アドレナリン ダバダバで
こりゃ もらったー!

すいません
俺が全面的に悪かったです

許してください 命だけは…

ふざけたマネしやがって この!

この! この!

楽に逝けると思うなよ!

(少女)そこまでよ
(チン)うっ

何だ? てめえは!

(少女)
今なら許してあげる

だから 潔く盗んだものを返して

盗んだもの?

(少女)
お願い あれは大切なものなの

ほかのものなら諦めもつくけど
あれだけは 絶対にダメ

いい子だから おとなしく渡して

こいつを助けに来たわけじゃ
ねえのか

(少女)
変な格好の人ね

私と関係あるのか聞かれたら
無関係って答えるしかないわ

だったら 俺らは関係ねえ

何か盗まれたってなら
さっきのガキだ

そうだ あっちだ
あっちに逃げてった

うーん ウソじゃないみたい

早く追いかけないと

(少女)
でも それはそれとして―

見過ごせる状況じゃないの

(チン)
魔法… ふざけやがって

魔法使いだろうが
何だろうが ぶっ殺す

2対1で勝てっと思ってんのか
ああ?

そうね 2対1は不公平かも

(パック)
じゃあ 2対2なら対等な条件かな

ニャ

(トン)
せ… 精霊術師か

(女性)ご名答

今すぐ引き下がるなら追わないわ
すぐ決断して 急いでるの

(チン)
クソアマ 次に会った時は
タダじゃおかねえからな!

この子に何かしたら
末代までたたるよ

その場合 君が末代なんだけど

助かった ありがとう

(女性)動かないで

ほら やましいことがあるから
目をそらしたんだ

私の目に 狂いはないみたいね

(パック)
どうかなあ 今のは
健全な男の子的反応ってだけで―

邪悪な感じはゼロだったけど

パックは黙ってるの

あなた 私から徽章(きしょう)を
盗んだ子を知ってるでしょ

ああ いや 悪いけど―

全然 全く これっぽっちも知らない

えっ やだ ウソ

まさか ホントに
ただ回り道しちゃっただけ?

早く追いかけたほうがいいよ
お嬢さん

なんなら 手伝…

(パック)
あーあ 無理して立つから
どうしよっか?

関係ないでしょ
死ぬほどじゃないもの

放っておくわよ

(パック)ホントに?

ホントに

(パック)
そんなこと言って
助けるんじゃない?

(女性)助けない!

絶対の絶対
助けたりなんかしないんだから!

(スバル)
怒った顔も すげえかわいいな

さすが異世界ファンタジー

これは ひざ枕?

(女性)目が覚めた?

なんか美少女って
思ったよりも毛深いんだね

…って そんなわけあるか!

わあっ!

せめて 目が覚めるまで―

幸せに過ごさせてあげようという
粋な計らいだよ

とりあえず その裏声やめて

猫とヒロイン間違えるとか
ありえないから

いやあ こんなに喜ばれると―

僕も わざわざ
巨大化したかいがあるよ

喜んでねえし! おっ…

(スバル)
なんか悪かったな

結局 目が覚めるまで
つきあってくれたみたいで

勘違いしないの

聞きたいことがあるから
しかたなく残っただけなんだから

あなたの体の傷を
治してあげたのも―

目覚めるまで
パックを枕にさせてあげたのも―

私のためだったの

だから その分に
応えてもらうんだから

恩着せがましい感じを演出しつつ
普通のお願いじゃね?

そんなことはない

あなた 盗まれた徽章には
心当たりあるでしょう?

徽章?

徽章っていや 身分を表す
バッジみたいなもんだっけ

真ん中に 宝石が
埋め込まれていて―

このくらいの大きさなんだけど

ごめんだけど 何回聞かれても
心当たりはないかな

そう それじゃ しかたないわね

でも あなたは
何にも知らないって情報を―

私に教えてくれたわけだから―

ちゃんとケガを治した分の
話はしたものね

じゃあ 急いでるから
もう行くわね

ケガは 一とおり
治ってるはずだけど―

次からは 人けのない路地に
1人で入るなんて―

危ないことは
するべきじゃないわね

あっ これは心配じゃなくて忠告

次に同じような場面に
出くわしても―

私があなたを助ける
メリットがないもの

だから 期待しちゃダメだからね

ごめんね
素直じゃないんだよ うちの子

変に思わないであげて

素直じゃないって
そんなレベルじゃねえだろ

大切なもん盗まれて急いでんのに
俺のこと助けてくれて―

おまけに 見ず知らずの俺に
負い目を感じさせないように―

下手くそすぎるフォローまでして
そんな生き方…

メチャクチャ
損するばっかじゃねえか

おーい 待ってくれよ

何? 言っておくけど
これ以上は 私も―

ちょっとしか
つきあってあげられないから

若干 甘さみえてるけど

あっ それより 大切なもんなんだろ
俺にも手伝わせてくれ

でも あなたは何も知らないって…

ああ… 少なくとも顔は覚えてる
もう一度見れば分かる

変な人

言っておくけど
何のお礼もできません

お礼なんていらない
俺が 君に礼をしたい

だから手伝いたいんだ

お礼をされるようなことしてない

言ったでしょ 傷のことなら
ちゃんと対価はもらってるんだから

なら―

俺も俺のために 君を手伝う

俺の目的は… そうだな

うん 一日一善だ

悪意は感じないし
素直に受け入れてもいいと思うよ

暴漢相手の弾避けは
多いほうがいいしね

って そんな物騒な役割かよ

でも ホント
何のお礼もできないからね

ああ 大丈夫 俺に任せとけ

(スバル)
でかい口 たたいちまったけど―

この街って 捜し物するには
広すぎねえ?

ルグニカ王国の王都だもん
そんなことも知らなかったの?

えっと…

そういえば お互い
まだ名前も聞いてないよね?

自己紹介しておく?

そういや そうだな

じゃ ここは俺から
名乗らせて頂こう

俺の名前は ナツキ・スバル

無知蒙昧(むちもうまい)にして
天下不滅の無一文 よろしく

(パック)
それだけ聞くと
もう 絶体絶命だよね うん

そして 僕はパック

よろしくー

精霊と こんな気軽に
接する人なんて ホント珍しい

どこから来たの?

まあ パターンからすると
東の小っさい島国だな

ルグニカは 大陸図で見て
一番東の国だから―

この国より東なんてないけど

ウソ マジで? 東の果て?

今 自分のいる場所が
分かってなくて―

お金も持ってなくて
字も読めなくて 頼れる人もいない

ひょっとすると 私より
危ない立場なんじゃ?

えっと… スバルって

お? おお… イエス 俺の名前

でも こうして見ると
結構 体鍛えてるみたいだね

毎日 筋トレだけはね

まっ 自宅の守人
引きこもりとしては―

そんぐらいは当然ってもんだ

その 引きこもりっていうのは
よく分からないんだけど―

スバルって
かなりいい家柄の出でしょ?

(女性)
この指もそうだけど とてもきれい

庶民とは
暮らしが違いすぎる手だもの

筋肉のつき方も
仕事でついた感じじゃないし

あっ そういえば
飼い猫の名前は聞いたけど―

君の名前は聞いてなかったな

(女性)私の名前?
(スバル)うん そう

私は…

サテラ

家名はないの
サテラと そう呼ぶといいわ

そうか サテラか

いい名前だ

ハア… 趣味が悪いよ

んじゃ 聞き込み再開といこうぜ!

(サテラ)ねえ スバル

あの子 迷子になってる
気がしない?

(スバル)
いや だから聞き込みは…

それも大事だけど 迷子だったら
なんとかしてあげないと

助けられた俺が言うのも
なんだけど―

今の置かれてる状況とか
分かってる?

でも…

あの子は今 泣いている
そうでしょう スバル

つきあいきれないって言うなら
それでもいい

ここまでありがとう スバル

あとは自分でなんとかしてみるから
あの子 どうにかしてあげてから

捜してた相手じゃなくて ごめんね

ねえ どうしたの?

お父さんかお母さんは?
一緒じゃないの?

えっと その… 泣かないで

お姉ちゃんは あなたに
何もしたりしないから

(スバル)
ここに取り出しましたるは
1枚のギザ10にございます

さーて これをぎゅっと手で
握りつぶしてやります

グッグッグッとな

すると あら不思議

はい 消えたコインは
こんなところにおりました

プレゼントしてあげよう
貴重品だから大事にしてね

はあ! ありがとう

(スバル)
そっか お母さんと
はぐれちまったのか

なに 大丈夫 大丈夫

お兄ちゃんとお姉ちゃんに
任せとけって

すぐに バシッと
見つけてあげっからな

こうしてると―

何も知らない人たちからは―

若夫婦と その子供みたいに
見える気がしない?

照れるな

(サテラ)
ひいき目に見ても―

スバルと この子が
兄妹(きょうだい)にしか見えないと思うけど

何で俺が そんな年下?

見つかったみてえだな

うん よかった

(スバル)それで?

だいぶ遠回りに
なっちゃった気がすっけど

そこんとこ お姉さん的には―

どんなメリットがあったんだと
主張するんでしょうか

簡単よ

これで 私たちは気持ちよく
捜し物の続きができるでしょ

それより どうして
手伝ってくれたの?

スバル反対してたのに

(スバル)
手品を見せびらかしたかった
ってーと ウソになるね

言ったろ?

君の徽章捜しを手伝って
俺は一日一善

(サテラ)
じゃあ 女の子を助けて
あげられたから―

もう一善は 済んだんじゃない?

正論すぎる切り返し

いや ほら いいことは
一日何回やってもいいじゃん?

明日の分の前倒しだよ

今週のノルマを
先に消化しちゃう腹積もりだよ

スバルって すごーく
損する性格してるのね

ほかの誰でもなく
君にだけは言われたくねえな

悪い子じゃないのよね

だから 何で年下扱い?

俺と君って そこまで
年の差ないと思うぜ

その予想 当てにならないと思う

私 ハーフエルフだから

なるほどな

どうりで かわいいと思った

エルフは美人ってのは
お約束だもんな

どったの?

どうしたのっていうか
あの ほら 私 ハーフエルフ…

聞いたよ

てい!

…って 急に何すんの

なんとなく 耐えがたい
ムズムズ感を形にしたくて

そんな理由じゃ 殴られた側は
納得いかねえよ

プニプニだったから許すけど

僕も別に怒って
たたいたわけじゃないよ

どちらかっていうと 逆だね

もう スバルのおたんこなす

“おたんこなす”って
きょうび聞かねえな

そして なぜに俺は
罵倒されてるの?

フンだ 知らない

それより捜し物の続き 始めなきゃ

ああ 待てって

ノープランで動き回っても
いい結果はついてこない

ここは捜査の基本だ

捜査の基本?

そう 現場100回ってやつ

その徽章は
どこら辺で盗まれたんだ?

そんなわけで どうやら現場は
この辺りだったらしく―

俺に任せろと 勇ましく宣言して
戻ってまいりました 果物屋

何だ? 客かと思ったら
またお前かよ 一文無し

(スバル)
いいのかよ そんな態度で

さっきの俺と違うことに
気づかないのかい?

(カドモン)何?

どうだ 連れだぜ 連れ

お得意様候補を
連れてきてやったんだぜ

(サテラ)
あの スバル
変に期待してくれてるんだけど―

私もお金 持ってないわよ

(スバル)
でっ… あれ? マジで

で… 無一文が
2人になっただけの状況で―

何が言いたかったんだ? 兄ちゃん

実は 人を捜してたんだけど―

ちょっと お話
聞かせてもらえないかなー 的な…

文無しにつきあってらんねえって
皮肉言ってんだよ!

帰った 帰った!

(子供)お兄ちゃん

(母親)先ほどは どうも

(スバル)
何でまた こんなところに

主人のお店なので
ちょっと立ち寄ったんですよ

主人?

それより お前
この文無し2人と知り合いか?

この子が迷子になったのを
見つけてくれたんですよ

お姉ちゃん はい

もらってあげてください

娘なりに お礼がしたいと
思ってるみたいなので

ありがとう

すまなかったな

娘の恩人だ 礼がしたい
何でも聞いてくれ

ほらね ちゃんと巡り巡って
私たちのためになったじゃない

空気と雰囲気と―

あと たぶん
住んでる人間の性格も悪そう

本当に ここにいるのか?

ひょっとして フェルトの奴かも
しれねえなあ

金髪のはしっこい小娘だろ?

貧民街じゃ有名だ
住んでる場所までは知らねえがな

(サテラ)
聞けば教えてくれるかしら?

(パック)
誰も 自分たちの仲間を
売ったりしないから―

聞いてもムダだと思うけど

出直したほうが賢明か

進むにしても 戻るにしても
決断は早めにね

僕は そろそろ時間切れだ

何それ 時間切れ?

僕は こんなかわいい見た目だけど
精霊だからね

表に出てるだけで
結構マナを使っちゃうんだ

だから夜は
依り代の結晶石に戻って―

お天道様が出てる間に
備えてるんだよ

まあ 平均的には
9時から5時が理想かな

9時5時とか 公務員みてえだな
精霊の雇用形態も 案外シビア…

パックがいなくても大丈夫
ここは進むしかない

だよね でも ごめん
僕 もう限界だ

なんか 死にそうな消え方すんだな

無理させてごめんね パック

あとは私たちで頑張るから
ゆっくり休んで

くれぐれも ムチャしないように

いざとなったら オドを使って
僕を呼び出すんだよ

それじゃ あとは頼んだよ スバル

おいおい 女の子と2人きりなんて
小学生以来のシチュエーションだ

変なこと考えちゃダメだからね
魔法は使えるんだから

考えねえよ

それより ここからどうやって
フェルトを見つけ出すかだ

(サテラ)
微精霊に聞いてみる

(スバル)微精霊?

(サテラ)
微精霊っていうのは
まだ 精霊になる前の存在のこと

時間がたって成長して
力と自意識が芽生えると―

パックみたいな
立派な精霊になるの

(サテラ)
どんどん さみしくなってくる

ホントに
こんなとこに住んでるのか?

微精霊は こっちの方角に―

フェルトに似た人が入っていくのを
見たって言ってたんだけど

よう 兄弟

この先 フェルトって子の
家で合ってる?

(男)
ああ? フェルト?

この先にあるのは
ロム爺(じい)の盗品蔵だけだ

ははん さては兄ちゃんたち
フェルトに何か盗まれたか

まっ うまく交渉して
買い戻すんだな

強く生きろよ

(サテラ)
盗まれた物を返してもらうのに―

どうして
お金払わきゃいけないのかしら

(スバル)
まあ とにかく ここは
俺に任せてくれ

なんとか交渉してみる

分かった スバルに任せてみる

やけに素直に任せたな

今までの流れだと―

“あなたみたいな
役立たずに任せる?―”

“へそで茶が湧いて
鼻が大爆笑しちゃうわー”

的な発言に 俺が傷つきつつも
決意を新たにする展開だぜ

そんなひどいこと 私 言わないわよ

確かに―

スバルに足を引っ張られてないって
言ったら―

ウソになっちゃうけど

ウソになっちゃうのかよ!

でも―

スバルを信じてみる

うまくいったら
もうけものぐらいの気持ちで

そこは 上目遣いで―

“私のために頑張って”
ぐらい言ったほうが やる気でるぜ

そんな無理になんて言えないもの

でも 頑張って

うん 頑張る

俺が先に入るから
君は外 見張ってて

帰りは遅くならないけど
先に ご飯食べてていいよ

バカなこと言ってないの
気をつけてね

サテラも 俺が声かけるまで
入ったらダメだぜ

どったの?

うっ… ううん なんでもないの

徽章を取り戻せたら
ちゃんと謝るから

おじゃましまーす

さて 鬼が出るか蛇(じゃ)が出るか

ファンタジーだと
どっちも冗談じゃ済まねえな

これ全部 盗品かよ
つか 何で誰もいねえんだ?

盗品扱ってて
不用心にも程があるだろ

(女性)
ああ 見つけてしまったのね

それじゃしかたない
ええ しかたないのよ

(スバル)
やべえ これ全部 俺の血かよ

ヤバイ これは本気でヤバイ!

(サテラ)
スバル? どうかしたの? スバル?

ダメだ 逃げろ 早く

(スバル)…ていろ

俺が 必ず―

お前を救ってみせ…

どうしたよ 兄ちゃん
急に ほうけたツラして

だからリンガだよ リンガ

兄ちゃん 金は持ってるのか?

ハア?

“ハア?”じゃねえよ リンガ!
買うのか? 買わねえのか?

ああ いや だから 俺
天魔不滅の一文無しだって…

…っだよ
ただの冷やかしなら 行った行った

こっちは商売してんだ
冷やかしにはつきあってられん!

どういうこと?

さっきまで 夜だったよな

腹の傷 ねえな

あっ そうだ サテラ

サテラを頼むって パックに
言われたんじゃねえのかよ 俺

とにかく あの店に戻らねえと

おいおい
ほうけたツラしてどうしたよ?

痛え思いしたくなきゃ
出すもん 出しな

お前ら 俺が1人とみて
さっきの仕返しか?

ああ? 何 言ってんだ お前

頭おかしいんじゃねえのか

いいさ兄ちゃん
とりあえず持ち物 全部置いてけ

それで勘弁してやっから

ああ はいはい 持ち物全部ね

急いでっからそれでいいや ホント

あと犬のマネな

四つんばいで 犬のマネして
助けてくださいーって鳴けよ

(スバル)
調子乗んなや こらー!

どりゃー!

おっと

不登校児の有り余った時間
ナメんな

日々 特に理由もなく
木刀振って鍛えた 俺の握力―

70キロオーバーだぞ!

こっちは急いでんだ
二度とジャマすんじゃねえ!

ビビんな ビビんな ビビんなよ 俺

(スバル)バカか 俺は

ここまできて 答えを見ないで
帰れるもんかよ

誰か いますか

誰か… 誰かいるんだろ
頼むよ 返事してくれ 頼む…

(ロム爺)
じゃっかましいわい!

合図と合言葉も知らんで
扉をぶっ壊す気か

あんた…

(ロム爺)
なんじゃ さっきから
モジモジしおって

キンタマの位置が
そんなに気になるか?

息子のポジション
気にしてるわけじゃねえよ

つーか シモから話に入るな

人の晩酌のジャマしおって

これで つまらん用事なら
ひどいぞい

日のあるうちから
飲んでんじゃねえよ

早死にするぞ

あっ つか… バカげた話なんだが…

爺さん 最近死んだことないか?

アハーハハハハ!

確かに死にかけの
ジジイなのは認めるが―

あいにくと 死んだ経験は
まだないぞ

あっ じゃあ
銀髪の女の子を見なかったか

銀髪?

ああ そんな悪目立ちするもんは
見とらん

(スバル)
全部 夢だってのか?

だったら どっから
どこまでが夢で―

俺は どうして
こんな世界にいるんだよ

で… お前さんは
一体 何の用でここに来た?

ああ 俺は徽章を捜してる

俺を助けてくれた
銀髪美少女の持ちもんだ

理由は知らんけど
大切なもんなんだと

確か 真ん中に宝石が
はめ込まれてるって言ってた

宝石が入った徽章…

悪いが そんな品物は
持ち込まれておらんぞ

ホントにか? よく思い出せよ

ボケてんじゃねえのか?
ガタがきて

酒が入った 絶好調の今で
思い出せんなら―

知らんとしか言えんな

じゃが―

今日は このあと
持ち込みの約束があってな

前もって 上物と聞かされとる

お前さんの捜し物の可能性は
十分あるじゃろな

持ち込むのは ひょっとして
フェルトって子が?

なんじゃ 盗った相手の名前まで
分かっとるのか

じゃが お前さんが
それを買い取れるかどうかは―

また別の話じゃぞ

ハッ いくら足元見てもムダだぜ

なにせ 俺は万夫不当の一文無し

話にならんじゃろうが

いいや この世には
物々交換って手がある

そういえば お前さん
何やら珍しいもの持っとるの

(スバル)
おうよ 例えば―

これは コンポタスナック
超うめえんだぞ

(ロム爺)食い物か

なるほど 不思議な味
酒にも合う うましうまし

そうだろ そうだろ
…って 勝手に食ってんじゃねえ!

まあ 何と交換するつもりか
知らんが―

フェルトが来てから
出直してくるんじゃな

どこの世界でも 金のある奴と
ない奴がいるってことか

にしても 分かりやすいよな

(フェルト)
兄ちゃん 何やってんだ?
ジャマなんだけど

(スバル)フェルト

私のこと 知ってんのか?

(スバル)知ってるも何も
お前を待ってたんだ

何のために

っていうか お前ってば―

俺のこと ひょっとして
覚えてないか?

うん… どっかで会った…

でも かなり衝撃的な
出会い方してねえと―

私 暇じゃねえから
覚えてねえよ

衝撃的っちゃ 衝撃的だったが…
まあ それはいい

お前の持ってる徽章のことで
交渉がしたい

なんだ そういうことか
だったら話は聞くぜ

(ロム爺)大ネズミに
(フェルト)毒

(ロム爺)白鯨に
(フェルト)釣り針

(ロム爺)我らが尊きドラゴン様に
(フェルト)クソッタレ

待たせちまったな ロム爺

意外としつこい相手でさ
まくの手間取っちまった

おい ロム爺 このミルク
水入れて薄めてねえだろうな

まずいぞ

ったく もう…

人が好意で
出してやっとるもんを―

まずいまずいと

なんか 予想と期待以上に
親しげだな お前ら

置いてけぼりでさみしい

ロム爺と
いい勝負の凶悪なツラして―

女々しいこと言ってんじゃねえよ

今まで いろんなこと
言われてきたけど―

このジジイと いい勝負させるか?

あ… さすがに今のは
言い過ぎたって

悪かったよ 兄ちゃん

お前さんら 2人で結託して―

わしを怒らせに
来たんじゃなかろうな

じゃあ まあ改めて
本題に入るとすっか

兄ちゃん いくら出すんだ?

って いきなりだな

その前に 徽章はホントに
持ってるんだろうな?

たりめえだろ

ほらよ

(ロム爺)フン…

こっちは 宝石付きの代物だ

しかも それなりに
苦労して手に入れた

それに見合う額なら
お互いうれしいよな

金は ねえ

だったら話にならねえだろ!

チッチッチッ 金はねえが
金に換えられるものがあるんだよ

ここに取り出しましたるは
万物の時間を凍結させる魔機―

携帯だ

(フェルト)なんだこりゃ

(ロム爺)初めて見るな

くらえ 秒間9発 連続撮影

何の音?
もう まぶしいっつうの

貴様! わしを殺す気か

怪しげなマネしおって
ジジイをナメるでないぞ

(スバル)待て待て

これって…

(ロム爺)
わしとフェルトの顔じゃな
どういう手品じゃ?

(スバル)言ったろ

これは時間を切り取って
凍結させる 不思議なアイテム

この道具で あんたら2人の
時間を切り取って―

この中に閉じ込めたってわけさ

(フェルト)
なるほど そりゃすげえな

(ロム爺)初めて見るが…

これがウワサに聞く
ミーティアというやつかの?

ミーティア?

魔法使いのように
ゲートの開いてない者でも―

魔法が使えるようにできるという
道具の総称じゃ

この ミーティアは
売ったらどんなもんよ

さすがのわしも ミーティアなんぞ
扱うのは初めてじゃ

だが この徽章より―

高値が付くことには
間違いないじゃろう

なら 決まりだ
この携帯と徽章を交換

はい 交渉成立

ああっと

いいや まだだ

(スバル)なんでだよ

私の交渉相手は
兄ちゃんだけじゃないってこと

そもそも 私が この徽章を
ぎってきたのは―

頼まれたからなんだよ

これ1個で 聖金貨10枚と
引きかえるって話でな

盗みの依頼が先約かよ

聖金貨10枚って相場が
いまいち分かんねえけど

(ロム爺)
お前さんが持ってきた
ミーティアなら―

最低でも聖金貨20枚 いや…

それだけの物なら
もっと出す好事家もおるじゃろう

(フェルト)
マジか そりゃ
吹っかけがいがあるってもんだぜ

んで その依頼人とは
いつ どこで会う?

心配すんな 交渉場所はここだ

私みたいな か弱いのが
1人で相手して―

踏み倒されたりしたら
かなわねえ

その点 ロム爺がいれば
安心だかんな フフッ

符丁は?

(フェルト)教えてねえよ

たぶん 私の客だし
見てくるわ

(スバル)
いいのかよ
あんな勝手ばっかさせて

まあ 知らん仲じゃないしのう
つきあいも短くない

(ロム爺)
頼られてやるとするわい

つーか
その文明人とは思えない姿に―

さすがのスバルくんも苦笑い…

こんな場所じゃ どいつもこいつも
自分が生きるのに必死でな

幼子が生きていくには―

似た境遇の子らと 徒党を
組んだりするのが常なんじゃが―

フェルトは それに向かん

なので わしがフェルトを
守ってやらねばならん

(フェルト)
やっぱり 私の客だったよ

こっちだ 座るかい?

(エルザ・グランヒルテ)
部外者が多い気がするのだけれど

(フェルト)
踏み倒されたら困るかんな
私ら 弱者なりの知恵だよ

(エルザ)
そちらのご老人は分かるのだけれど
こちらのお兄さんは?

この兄ちゃんは あんたのライバル

私の もう1人の交渉相手さ

なるほど

事情は飲み込めたわ

まっ そんなわけで
値段のつり上げ交渉ってわけだ

別に私は どっちが徽章を
持っていくんでもかまわねえし―

高いほうに 高く売りつけるさ

いい性格だわ 嫌いじゃない

それで そちらのお兄さんは
いくらつけたの?

俺が出すのは このミーティアだ

たぶん 世界に1個しかない
レアアイテム

そこの筋肉爺さんの話じゃ―

聖金貨で20枚は下らないって
お墨付きだぜ

ミーティア フッ

実は私も 依頼主から ある程度
余分なお金を渡されているの

少しの上乗せも考える意味でね

依頼主ってことは エルザさんも
頼まれただけってことか

そうなるわね
欲しがってるのは依頼主のほう

あなた ひょっとしてご同業?

俺と同業ってことは
無職ってことになるぜ

(フェルト)
…で その無職のお兄ちゃんは
飛び出るような値段をつけた

あんたの飼い主は どんぐらいの
値段がつけられるんだい?

(ロム爺)
うーん 20枚ちょうど

私が 依頼主から渡されている
聖金貨は これで全部

少し厳しいかしら

男のくせに そんな
みっともない顔するもんじゃない

お前さんのミーティアは―

聖金貨20枚は下らんと
言ったはずじゃ

わしの見立てじゃ
この交渉は この小僧に傾く

お前さんと雇い主には悪いが―

その金貨は袋に戻して
帰ることじゃな

っしゃー!

(スバル)
な… なんだよ
いいだろ 別にガッツポーズぐらい

うれしかったんだよ

(フェルト)
別に何も言ってねえだろ
存分に はしゃげよ

私は もうかればそれでいいし

(スバル)
ああ 悪いなエルザさん
たぶん 怒られたりしちまうよな

しかたのない話よ

雇い主が 支払いを
少なく済まそうなんて―

考えなのが悪いのだし

それじゃあ 交渉は
残念な結果だったけれど―

私は これで失礼するわね

(エルザ)
そういえば あなたは
その徽章を手に入れてどうするの?

ああ 元の持ち主捜して返すんだよ

なんだ 関係者なのね

なっ 何を…
(フェルト)バカ 死ぬ気か?

(エルザ)
あら よけられてしまったわね

うわおーっ!

巨人族と殺し合うのは 初めてよ

ぬかせ小娘 ひき肉にして
大ネズミのエサにしてやるわ!

ヤバイ

大丈夫だ ロム爺が
やられるはずがねえ

(ロム爺)くらえー!

ロム爺!

クソッ…

(エルザ)
言い忘れていたけど…

せめて相打ちに…

ミルク ごちそうさまでした

これは お返しするわね

てめえ… よくも
やってくれやがったな

あら あなたのほうが
勇気があるのね

だけど手向かうと 痛い思いを
するかもしれないのだけれど

反撃しなくても殺す気だろうが

この クソ異常者が!

動かれると 手元が
狂うかもしれないの

私 刃物の扱いが雑だから

悪かったな 巻き込んじまって

(スバル)俺は…

(エルザ)風の加護

ステキ 世界に愛されているのね

あなた 妬ましい

おじいさんと女の子は倒れ
なのに あなたは動かない

諦めてしまったの?

クッ… クッソー

ああ やっと立つのね
遅いし つまらないけど―

悪くはない

(エルザ)
でも 全然ダメ
見たまま素人で 動きは雑

加護もなければ 技術もなく―

せめて 知恵は絞れるかと思えば
それもなし

(スバル)
うっせえな 意地があるんだよ

こんだけ やられたらな!

飛び抜けた気骨だけは
認めてあげる

それが
もっと早くできていれば―

この子たちも 少しは
違ったかもしれないけど

終わりにするとしましょう

天使に会わせてあげるわ

おらーっ!

おらーっ!

(エルザ)
ああ 今のは… とても感じたわ

驚いた? すれ違いざまに
お腹を開いたのよ

これだけは 私 得意なの

ああ やっぱり

あなたの腸(はらわた)は―

とてもきれいな色をしていると
思ったの

(スバル)
痛い 痛い 痛い 痛い…

(エルザ)
痛い? 苦しい?

辛い? 悲しい?
死んでしまいたい?

(スバル)死ぬ?

(スバル)
死んだのか まだ生きてる
いつ死ぬ? いつ死ぬ?

ゆっくり ゆっくり ゆっくり…

(エルザ)ゆっくり ゆっくり…
(スバル)怖い怖い怖い…

(エルザ)ゆっくり そう
(スバル)死ぬ死ぬ死ぬ…

(エルザ)ゆっくりと熱が失われて
(スバル)死ぬ死ぬ死ぬ…

(スバル)
死ぬ 死ぬ ハア ハア…

(エルザ)
ゆっくりと冷たくなっていって…

(スバル)あ… 死んだ

(カドモン)
どうしたよ 兄ちゃん
急にほうけたツラして

おい 兄ちゃん
大丈夫か?

もう わけ分かんねえ

大丈夫か 兄ちゃん
金はいらねえ

とりあえず ほれ

ちょっ… 待って

待ってくれ
頼む 待って!

待ってくれ サテラー!

無視しないでくれ

いなくなったのも―

言うこと
聞かなかったのも―

俺が悪かった

でも 俺も
必死だったんだ

あれから
遠い村にも行ったんだ

けど 会えなくて…

自分のことばっかでごめん
でも 無事でよかった

サテラ

あなた
どういうつもり?

誰だか知らないけど―

人を嫉妬の魔女の
名前で呼んで―

どういうつもりなの!




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